副業基礎知識

消防士は副業OK?消防士におすすめの副業も解説

消防士

消防士は体を張った危険な仕事であるがゆえ、一般会社員の平均よりも年収が高い傾向があります。

そんな消防士でも、新人の頃は年収が平均並み・またはそれ以下で「副業をしてもう少し稼ぎたいな」という人も少なくないと思います。

また、ベテラン消防士でも「休日を活用して収入を増やす方法はないか」と考えている人もいるのではないでしょうか。

本記事では「消防士は副業できるの?」「どんな副業がおすすめなの?」とそんな疑問に答えるべく、消防士の副業について解説していきます。


消防士は副業OK?禁止?

消防士は地方公務員に分類されるため、副業は原則禁止です。

ですが、地方公務員にもできる副業は実は存在します。

それを紹介する前に地方公務員の副業禁止を規定している法律について確認しておきましょう。

地方公務員法 第38条

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)

を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、

若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

地方公務員法 第32条

(信用失墜行為の禁止)

職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

地方公務員法 第33条

(秘密を守る義務)

職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

地方公務員法 第34条

(職務に専念する義務)

職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

地方公務員法e-Govより

何が言いたいのかわかりやすくまとめると、

  • 営利目的の会社や団体に関わり、報酬をもらってはいけない。また、自分で営利目的の事業をすることも禁止。
  • 法律や上司の命令に背いてはいけない。
  • 世間の信用を失い公務員全体の印象が悪くなるような行為してはいけない。
  • 現役時代はもちろん、退職後も業務で知った情報を他に漏らしてはいけない。

直接「副業は禁止」と書かれてはいませんが、「営利目的の活動は禁止」と言っているので、「副業はできない」という解釈になる訳ですね。

もし、こちらの法律を無視して副業したことがバレた場合、法律違反となり懲戒処分を受けます。

ちなみに、副業が赤字だったとしても、「営利目的」と認定されてしまえば処分の対象になってしまいます。

処分の内容は重いものから順に、「免職」「停職」「減給」「戒告」となります。一番軽い「戒告」でも、退職するまで処分歴が記録に残り出世や賞与・昇給に影響を与えます。

収入を増やしたいと思って始めた副業が原因で収入が減ってしまうのは、とても悲しいですよね。

「やっぱり副業は難しいのか・・・」と落ち込んでしまいそうですが、法律に違反しない「営利目的ではなく、公序良俗に反しない」内容で上司の許可を得ることができれば、消防士でも副業することができます。

消防士におすすめな副業

それでは、上記のポイントを押さえた消防士にもできる副業をご紹介していきます。

社会貢献活動

「営利目的」ではなく、「社会性や公益性の高い」「特定団体の利益供与にあてはまらない」活動のお手伝いは消防士にもできる副業となります。

例えば、以下のものが該当します。

  • NPOなどの非営利団体の活動
  • スポーツの指導員
  • 試験監督

ただし「常識的な報酬額である」という条件もあるので、がっつり稼ぐことは難しいかもしれません。

不動産投資

投資は基本的には副業ではなく「資産運用」に該当するので、地方公務員である消防士でも始めることができます。

ただし、不動産投資には条件があります。

  • 家賃収入は「500万円以下」であること
  • 棟数は「トータル5棟以下」であること
  • 部屋数は「トータル10棟未満」であること

大規模な不動産投資はできないことになっています。

とはいえ、副業として収益物件を所有するのであれば、家賃収入上限500万円でも充分儲かっていると言えますね。

公務員は不動産投資ローンも組みやすいので興味がある人はぜひ挑戦してみて下さい!

不動産以外の投資

いきなり不動産投資はちょっと怖いな・・と思う人は、もう少し気軽に始められる投資にチャレンジしてみるのはどうでしょうか?

例えば、以下のような投資がおすすめです。

  • FX
  • 株式投資
  • 投資信託

これ以外にも様々なスタイルの投資が存在するので、興味がある人は調べてみて下さい。

今は小額からでも株式投資を始めることができますし、投資信託はつみたてNISAやiDeCoを使えば節税対策もできます。月々の支出を整理して余剰金が作れれば、それを利用して家計に負担をかけることなく始めることができます。

とても良い話に聞こえたかもしれませんが、注意点もあります。

全ての投資商品が元本保証されているわけでないので、利益だけではなく損失が出てしまう可能性もあります。

投資を始める際は、事前にリスクやリターンをきちんと確認してから始めるようにしましょう。

執筆活動

書籍や漫画を書き出版するのもおすすめです。

「表現の自由」の観点から消防士でも許可されやすい副業になります。

電子書籍であれば、今なら誰でも安く出版することができができるので、書くことが好きな人はぜひ挑戦してみて下さい。

ただし、消防士の業務内容に触れるもの・過激な内容のものは絶対にNGです。

最初は、書き続けることが苦にならない自分の趣味を生かした内容などで書いてみるようにしましょう。

小規模な農業

実家が所有している畑を使って行う小規模農業は、許可がもらいやすく田舎の消防士にはかなりメジャーな副業になります。

または、実家や妻の家業を一緒に行う「家業手伝い」として、自分には給与が発生しないかたちで農業をする方法もあります。こちらの方が大きく稼ぐことができます。

まとめ

消防士は「副業できるの?」「どんな副業がおすすめなの?」について解説をしてきましたが、結果は「消防士は原則副業NGだが、営利目的ではない・公序良俗に反しない内容で、上司の許可がもらえれば副業ができる」でした。

そんな消防士に「おすすめな副業」は以下の通りです。

  • 社会貢献活動
  • 不動産投資
  • 不動産以外の投資
  • 執筆活動
  • 小規模な農業

途中にも書きましたが、法律に違反して副業をしてしまうと懲戒処分を受けることになり、今よりも収入が減ってしまう上に周りからも冷たい視線を浴び続けることになってしまいます。

副業を始める際はきちんと調べて上司の許可を得た上で始めるようにして下さいね。

本記事が少しでも皆様の生活にゆとりを与えるお手伝いができますと幸いです。