子供達に夢を与え、親子のコミュニケーションに欠かせない絵本を作り上げる絵本作家。
人気の絵本作家の作品はシリーズ化し、何世代にもわたって愛されています。絵本作家を目指すには何をすればよいのでしょうか。
ここでは、絵本作家の仕事をしたい人に、仕事内容や副業の始め方について詳しく紹介します。
絵本作家になるには?
絵本作家になるためには、学歴や年齢は関係なく、アート系の学校を卒業したり、独学で絵を学んでなる人もいます。
絵やストーリーの良さが出版社や賞を受賞して認められれば、誰でも絵本作家になれるチャンスが来るでしょう。絵本作家としての一歩は、自分の作品を直接出版社に売り込んだり、絵本コンクールで賞を受賞することです。
絵と作を手がけずに、絵か文章のみに特化している作家も多くいます。
子供をターゲットにした絵本は絵が占める割合が多いため、絵の質が重要ですが、絵が上手く描けるということより、絵やストーリーが読者の心を掴むかどうかが創り手に期待されていることなのです。
絵本作家の仕事内容
フリーランスが多い絵本作家は、編集者と打ち合わせをしてテーマやストーリーを決めます。
作と文が違う作家によって構成される場合には、別の作家と共同で制作を行う流れです。題材によっては、取材やアイデア集めも欠かせません。
仕事の進め方は基本的に自分の進めやすい方法で進めることができ、自宅や好きな場所を仕事場にできます。
絵本の内容は作家自身のアイデアが大きいですが、編集者から読者のニーズや構成で修正が入ることも多いです。
絵本作家の報酬
絵本作家の報酬は、主に原稿料と印税によって収入が決まります。
原稿料は、作家の経歴や人気度によって変わり、印税は約6%前後です。
絵本の販売数は初版で1,000部程度ですが、1,000冊を販売したら印税で6万円の収入を得ることができます。
小説などと異なり、販売後すぐに爆発的なヒットを出すことは多くありませんが、人気の作品になれば、累計で数百万部を販売することが可能です。
「あらしのよるに」「いないいないばああそび」の作者で知られる、きむらゆういち氏は、500冊以上の著者を持ち、あかちゃんあそび絵本シリーズは累計1300万部を売り上げている人気絵本作家。きむら氏のように、日本のみでの販売に限らず、翻訳されて海外でも販売されることがあります。
絵本が人気になることで、グッズの販売やアニメ化など他の仕事にもつながるでしょう。
絵本作家の仕事のメリットとデメリット
絵やストーリーを作ることが好きな人は、絵本を通して人を感動させたり、喜んでもらえる絵本作家の仕事。自分のアイデアが形となり、たくさんの子供に喜びをもたらすやりがいのある仕事です。
子供達は絵本を通じて言葉を学んでいき、将来の職業や人生そのものに影響を与えることがあります。
好きなことで収入が得られる魅力的な仕事ですが、絵本が売れなければ、直接収入に結びつきません。作家本人や出版社が満足できる作品であっても、さまざまな理由で売れないことがあります。
絵本を選ぶ親は、定番の絵本を選ぶ傾向が強く、認知されるまでに時間がかかることもあり、子供や親達のニーズなどをしっかりと把握して、読んでもらえる創作活動をしなければなりません。
デビューして活動はすぐに軌道にのるものではなく、ヒット作が出るまで根気よく作品の発表を続けることが人気作家になるための道です。活動中には、うまくアイデアが浮かばなくなることもあるでしょう。
スランプに陥っても、自分が執筆を続けなければならず、自分なりにアイデアが出せる環境を作り出す必要があります。
絵本作家の副業探しにおすすめの方法
絵本作家の副業探しにおすすめの方法を解説します。
絵本賞に応募する
絵本賞は、他の文芸賞に比べると少ないですが、十程度の公募が毎年開催されています。
絵本賞を受賞することで絵本作家としてのデビューが決まるほか、作家としての地位が確立できるでしょう。絵本を創作している人は積極的に応募してください。
be絵本大賞
フジテレビや扶桑社が主催する「be絵本大賞」は、まだ発表されていない絵本の出版を目標とするプロジェクトです。
すでに絵本作家として活躍している絵本が選ばれる賞と異なり、全くの新人でもチャンスがあります。
えほん大賞
年に2回実施されている「えほん大賞」の公募は、絵本部門、ストーリー部門に分かれて大賞から特別賞までの賞が授与されます。大賞に選ばれると、文芸社より出版され、賞金は50万円です。
未発表の作品であれば、ジャンルを問わずに応募できます。
SNSで作品をアップする
たくさんの人や出版社の人の目に留まる作品を出すには、SNSを利用して口コミを使う方法があります。感動や共感を得るような作品であれば、SNS上の口コミやニュースで取り上げられ話題になることも。
実際にSNSで描いていたストーリーが書籍化することは多くあり、発表の場として活用するのは有利です。
出版社に持ち込む
従来の方法として、出版社に作品を持ち込んで絵本作家になった人は多くいます。
持ち込んでもすぐに作家デビューすることは容易ではありませんが、作品が優れていれば出版社や編集者とのコネクションを作ることができるでしょう。
絵本作家は副業に入るのか?
絵本作家だけで収入を得られるには、ある程度の作品を出版して、売り上げを上げなければなりません。
絵本作家をはじめたばかりの人の多くは、他の職業を持ちながら兼業で仕事をしています。絵本作家をしていても、収入がなければ副業に入りません。
本業を持ちながら作家デビューをする時には、収入が発生するので副業になり、自分自身で確定申告をします。本業の会社が副業禁止の場合には、確定申告を行う時に普通徴収にチェックを入れて申告することで、住民税の請求が自分に直接来るため、会社にばれません。
あらかじめ本業の会社が副業可能かどうかを就業規則などで調べておきましょう。
まとめ
絵本作家は、子供達に夢を与え、世界中の子供の成長を応援できるやりがいのある仕事です。
子供や保護者に認められる作品を作り出せれば、長い間子供達に愛される作品になります。絵本作家を目指すには、絵本賞を受賞するか、出版社に売り込むなどの方法が近道です。
副業としては思い立ったらいつからでも始められるので、作品を発表する機会を持ち、作家デビューを目指してください。