副業基礎知識

副業的農家とは?収入はどれくらい?

農家

近年、「副業」という言葉は定着し身近なものになりつつありますが、その副業が付いた「副業的農家」という言葉はご存じでしょうか?

農家といえば、野菜や果物などの農作物を育て出荷している「食を支えるお仕事」というのはイメージしやすいですが、この農家とはちがうものなのかよくわかりませんよね。

そこで今回は、「副業的農家」にフォーカスし、その内容をご紹介します!


副業的農家とは?

まず、副業的農家とはどんなお仕事をしている職業なのか、基本情報をみていきましょう。

副業的農家とは?

農林水産省によると「1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家」とあります。

この用語解説だけだとわかりにくいと思うので、ここからポイントをおさえて解説していきます。

農家の分類について

農家とは「経営耕地面積が10a以上の農業を営む世帯または農産物販売金額が年間15万円以上ある世帯」のことで、簡単に言うと「農業をして暮らしている人」のことです。

農家とひとことで言っても様々なので、更にわかりやすくするために分類しています。

かつての分類は「専業農家」と「兼業農家」

農家はかつて、この2種類に分類されていました。

主に農業の収入で生計を立てているのが「専業農家」農業と他のお仕事を両立して生計を立てているのが「兼業農家」です。

かつてはこの分類方法で問題はなかったのですが、あることをキッカケに農家の分類方法が見直されることになりました。

高齢化が進み、農家の分類方法が見直された

高齢化が進み専業農家が減ったことをキッカケに、1995年から農家の分類方法は2種類から3種類になりました。

このタイミングで登場したのが「副業的農家」です。

現在の分類は「主業農家」「準主業農家」「副業的農家」

主業農家は、「農業所得が主で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家」のことで、農業が主な収入になっている農家です。

準主業農家は、「農外所得が主で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家」のことで、農業より他の収入が多いちがいがあります。

そして副業的農家は、「1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家」で、要するに「高齢者だけの農家」ということなのです。

判断するポイントとは?

このことから「高齢者以外の農業従事者がいるかどうか」、そして「農業と他の収入とでは、どちらが多いか」といったポイントをおさえておけば、副業的農家が何を示す言葉なのかがわかります。

副業的農家の割合が増加している

現在の農業分類(主業農家・準主業農家・副業的農家)割合を見てみると、主業農家が減り、準主業農家と副業的農家の割合が増えています。

これは、農家の高齢化や後継者不足が影響しており、かつては主業農家に分類されていた農家も状況が変わり副業的農家に変わるなど、主業農家が減少しているためです。

副業的農家の収入は?

ここまでの解説で副業的農家は、「高齢者だけの農家」ということがおわかりいただけたでしょう。

ではこの副業的農家の気になる収入は、どのくらいあるのでしょうか?

農家の年収相場はどのくらい?

農家の年収は扱う農作物や地域などによって変わってきますが、約150万円から300万円と言われています。

日本の平均年収が400万円代であることを考えると、かなり安い年収となっています。

農業はトラクターなどの初期投資に年間経費、自然災害などの思わぬ損害も出やすいため、手元に残るお金を考えると低い傾向になってしまいます。

しかし、なかには自分のブランド農作物を成功させたり、新技術を導入して低コストで農作物を栽培したり、様々な努力で高額の年収をたたき出す農家もあります。

農業分類で収入は変わるのか?

もちろん収入のちがいに、農業分類は関わってきます。

副業的農家の年収は400万円代

副業的農家の年収は、他の2つの農業分類と比較すると1番低い傾向にあります。

主業農家は700万円代準主業農家は600万円代となっており、農業分類によって300万円位の差があることがわかります。

副業的農家の年収が1番低いのはなぜ?

やはり要因は、副業的農家というのは「高齢者だけの農家」という点でしょう。

扱う農作物や規模によって多少の差は出ますが、農業に体力は欠かせません。

高齢化による体力の低下、後継者不足により人員が少ない、そうすると自然と扱う農作物は限られてくるだけではなく、生産する量が減り販売量も少なくなってしまいます。

このことから、副業的農家の年収が1番低くなるのは自然なことなのです。

まとめ

副業と付いているので新たなビジネスかと思いきや、実は「高齢者だけの農家」を示す言葉だとわかった瞬間は、あまりのギャップに驚いたと思います。

この「副業的農家」という言葉から、様々な農家の事情が見えてきたことでしょう。

農家とひとことで言っても、「専業農家」「準専業農家」「副業的農家」と3種類に分類され、中でも副業的農家は増えつつあります。

食を支える重要なお仕事ですが、現在の農家は「高齢化」と「後継者不足」などによって、その人口は減少傾向にあります。

この記事によって、少しでも農業に興味を持ち副業としてはもちろん、本格的に農家を始めてみようと検討している人にとって、参考になると嬉しいです!