副業基礎知識

英語の通訳・翻訳のスキルを活かせる副業

翻訳

グローバル社会に伴い、英語に関する業務が増えています。

留学経験がある人や英語が得意な人の英語スキルが活かせる副業のひとつに翻訳がありますが、翻訳の仕事はどういうものでしょうか。

英語を使った副業で収入を得たい、副業で英語力をさらに伸ばしたいという人に向けて、翻訳の仕事と副業ができるサイトについて詳しく解説します。


英語翻訳のスキルを活かせる副業ジャンル

英語翻訳のスキルを活かしながらできる副業ジャンルを解説します。

翻訳の仕事とは

英語で書かれた文章を日本語に訳す翻訳の仕事。翻訳の仕事は映画、文書、インタビューなどさまざまあり、外国から発信される情報を日本語で紹介する時には必須の業務です。

プロの翻訳家として、映画などマスメディアで活躍している人もいますが、副業で仕事をする人を含め多くの人は裏方で翻訳の仕事をサポートしています。

翻訳の仕事にはジャンルがあり、そのジャンルの中で専門性を持って活躍する人も多いです。

出版物の翻訳

出版物を翻訳する文芸翻訳の仕事。本の翻訳に携わるジャンルです。

海外で出版される本を日本で発表する時に翻訳され、出版物は、小説、雑誌、絵本、ビジネス専門書など幅広いジャンルがあります。

出版物の翻訳では、英語を正しく日本語に翻訳するだけでなく、作品の持っている世界観を壊さずに適切な表現を選ぶ必要があり、表現力が豊かで、時事や文化に詳しいなど幅広い文章能力が重要です。

実務翻訳

ビジネスで使用される文書や医療などの専門的な文書を翻訳する実務翻訳の仕事。実務翻訳は、産業翻訳とも呼ばれていて、法務、金融など業種では、特有の専門用語が多く登場します。

日常英会話では使わない単語があることから、専門用語を正しく翻訳する能力が必要です。業界で働いている経験があると、その知識を翻訳に生かすことができるでしょう。

実務翻訳では、特定の業種で翻訳スキルを磨き、専門性を高めていく翻訳家がほとんどです。

技術

実務翻訳の中では需要が最も高い業種で、技術英語の翻訳を行います。具体的には、自動車、機械、電子など日本の産業で強い分野が多く、日本語から英語への翻訳が多いです。

メーカーのほか、小さな中小企業も翻訳を必要としていて、技術英語の需要はこれからも高まっていくでしょう。メーカー勤務など理系の知識があると優遇されます。

金融

財務文書の翻訳やマーケットレポートなどを翻訳する金融翻訳は、銀行や証券会社からの依頼を受けて仕事をします。

金融翻訳では、経済に関する高いレベルの専門知識と専門用語を理解していなければならず、米国公認会計士の資格を持っている人もいます。

動いているマーケットに対応するために、納品までの期間が短いことがあることから柔軟に対応できる人向きです。

IT

IT系翻訳では、ウェブサイトやSNSなどの翻訳がほとんどです。企業のホームページを翻訳したり、SNSを翻訳して発信します。

マーケティングなどを目的として利用され、日本語や英語に翻訳してSNSやホームページで発信する企業が増えており、需要が増加中。

IT関連の翻訳は多ジャンルにわたりますが、専門用語の頻度は少なく、難易度は低いため、初心者でも比較的はじめやすい分野でしょう。

特許

企業や個人で特許を取得する際には、出願明細書を翻訳して提出しなければなりません。特許翻訳は、一般企業や特許事務所から依頼され、出願方式に合わせた翻訳が必要になることから、特許翻訳は専門的な知識を要します。

専門性と高い翻訳能力が必要なため、報酬は高いです。特許を取る分野は、技術やIT系などが多く、翻訳技術以外の専門知識があるとよいでしょう。

医療

学術論文や治験、新薬や医療機器に関する翻訳が多い医療系翻訳は、高齢化社会もあって需要が伸びている分野です。

専門用語が多く、高いレベルの翻訳を求められるでしょう。医薬系の仕事をしていた人や医薬系の大学を出た人が翻訳を担当しているケースがあるように、医療を専門にしている翻訳者が圧倒的に少ないため、高い報酬が期待できます。

法律

企業が国内外と取引をすることが増え、法律に関する法務翻訳の需要が増えています。

契約書などは、難しい言い回しが多く長い上、完全に一致する翻訳が必要です。法律の知識があり、コツコツと翻訳できる人に向いています。法務の翻訳は経験が必要になることから、報酬は高いです。

映像の翻訳

映像の翻訳は、ニュースなどテレビや映画で放映される映像の翻訳を担当します。

字幕や吹き替えがついた映画やドラマは、映像の翻訳家が担当し、セリフに合わせて的確な日本語訳を音声や字幕で作成します。日本人がよく使う表現で、わかりやすい翻訳をすることが重要です。

字幕をつける時には、限られた文字数の中で字幕を考える必要があり、場面や登場人物のキャラクターにあった言葉を選ばなければなりません。ニュースの翻訳では、国際経済や動向に関する知識も要します。

マニュアル翻訳

英語や日本語で作られた説明書を英語、日本語に翻訳するマニュアル翻訳。日本の機械製造メーカーや建築関連、商社では、日本語の説明書を英語に翻訳する仕事依頼の需要が多いです。

マニュアルでは一貫して同じ表現や用語を使う必要があり、現地の人が正しく操作できるように適切な翻訳が必要とされます。

事前に使われる用語集などを作り、全体が統一された文書を作成するのも仕事です。

英語翻訳のスキルを活かせるおすすめの副業探し

翻訳のスキルを活かせるおすすめの副業探しについてご紹介します。

求人サイトで探す

翻訳の副業を探す時、まずは求人サイトから探す人が多いのではないでしょうか。求人サイトでは、直接採用や在宅で業務委託の案件が多数募集されています。

無料で登録、募集に応募できるものから、会員のみに求人情報が提供される翻訳者ネットワークまであるので、ニーズに応じて使い分けましょう。

一般社団法人日本翻訳連盟

日本翻訳連盟(JTF)は、産業翻訳に特化する業界団体です。

JTFは、企業や団体、フリーランスの個人から組織されており、翻訳の研究や人材育成に尽力しています。JTFのホームページでは、翻訳者を募集しており、日本語と英語を含めた多言語の翻訳案件を探すことが可能です。依頼会社は明確で、それぞれ専門分野などが記されています。在宅での仕事が多く、必要な経験や能力はクライアントによって異なるので確認しましょう。

求人への応募は誰でも無料で行えるため、クライアントが希望する応募方法に従ってください。入会費10,000円、年会費10,000円を支払ってJTFに入会すると、JTFの翻訳者リストに登録され、直接仕事の依頼がくることが多いです。

イベントや書籍の会員割引があり、フリーランスで継続的に団体から仕事を受けたい人が登録しています。

翻訳者ディレクトリ

翻訳者の利用者が多い翻訳者ディレクトリ。国内外の翻訳案件が15,000件以上ある情報サイトです。

翻訳者募集情報から求人に応募したり、翻訳者の登録をすることで、翻訳会社から仕事の依頼を受けられます。翻訳者ディレクトリの利用は完全無料です。翻訳者募集情報は毎日のように更新されており、急募となっている求人情報に応募すると、早く仕事が見つかる可能性があります。

求人している企業は、中小企業が多く、やり取りは企業側と直接行わなければなりません。取引する企業や仕事内容は自己判断をした上で、求人に応募しましょう。

アメリアネットワーク

翻訳ネットワークとして30年以上の実績を持つアメリアネットワーク。利用企業600社以上、求人年間1,500件以上と独自のネットワークを活かした豊富な案件が人気です。

アメリアネットワークでは、求人に申し込むか、プロフィールを公開して企業からのスカウトを待つ方法で仕事を受注できます。求人の80%以上は実務翻訳で、未経験でも応募可能が求人が3割以上と初心者でも安心して仕事探しができるでしょう。アメリアネットワークで仕事をするには、入会金5,500円、年会費16,500円がかかります。

コミュニティ内で翻訳仲間を作ったり、翻訳の情報を入手することが可能で、案件は1件数万円単位のものが多いです。

ジャパンタイムズ「通訳・翻訳キャリアガイド」

英字新聞のジャパンタイムズは、翻訳者業界のガイドのサイトを持っています。

「通訳・翻訳キャリアガイド」では、翻訳者のための求人情報されており、誰でも無料で企業に直接応募が可能です。在宅翻訳者の仕事がほとんどで、全国にある企業に応募できるでしょう。

応募条件はTOEICの点数や実務経験で示されていることが多いので、企業ごとに確認してください。

翻訳会社への直接応募

フリーランスの翻訳者が多く登録する翻訳会社に直接応募することで、豊富な仕事を受注できるメリットがあります。

翻訳会社に登録するには、トライアルという試験に合格しなければなりません。企業は高品質で納期も守られる翻訳会社に仕事を依頼するケースが多く、翻訳会社に登録することで、大企業や知名度の高い仕事に関わるチャンスがあります。

翻訳会社にはコーディネータが在籍し、仕事のやり取りはコーディネータが調整するため翻訳業務に集中できるでしょう。

HONYAKU CENTER(翻訳センター)

株式会社翻訳センターは、日本最大規模の翻訳会社で、取引会社は4,400社以上、年間54,000件以上の翻訳業務を行っています。

翻訳センターでは、英語のフリーランス翻訳者を随時募集しており、TOEIC860点以上、翻訳支援ツールを活用できる人で、実務経験や翻訳経験が3年以上というのが登録条件です。応募する分野で3年以上の経験があれば、翻訳自体の経験は浅くても応募できます。

書類選考と翻訳トライアルを受けて合格すれば登録が完了し、自分の請け負いたい仕事量や内容に合わせてコーディネータが仕事を調整してくれるでしょう。

株式会社イデア・インスティチュート

創業40年の株式会社イデア・インスティチュート大手出版社や行政機関の案件が多く、それぞれの分野でたくさんの在宅翻訳者が活躍しています。

在宅フリーランス翻訳者として登録するには、TOIECなどの資格は必要ないものの、翻訳実務経験が2年以上必要です。トライアルに合格し、クライアントの要望に合わせて正しい翻訳ができれば全国場所を問わずに在宅で活躍できます。

ワールドインテリジェンスパートナーズジャパン株式会社(WIPジャパン)

WIPジャパンは、日本だけでなく、中国、フィリピンに拠点を持ち、139言語の翻訳を行う翻訳専門会社です。

7,000社以上との取引実績を持ち、外務省、経済産業省のWebページ翻訳やパナソニック社の商品カタログ翻訳などを請け負っています。翻訳登録者は全世界に6,500人以上いて、英語での翻訳者は随時募集中です。

応募する分野の実務経験もしくは翻訳経験が3年以上の条件で、トライアル翻訳に合格した上で仕事を受注します。

クラウドソーシング

インターネット上で、クライアントと仕事をしたい人を結ぶクラウドソーシング。クラウドソーシングを使えば、翻訳関連の仕事を簡単に探すことが可能です。

クラウドソーシング上で募集されている仕事は、未経験から可能な仕事も多く、これから実績を積みたい人に向いています。空いた時間に翻訳の仕事ができる、短文の案件は副業にぴったりです。

SNSの翻訳から専門知識が必要な翻訳まで、自分のレベルと希望に合った仕事が見つかるでしょう。

ランサーズ

翻訳者が約3万人以上登録しているランサーズ。ランサーズで募集されている案件は、海外サイトを日本語に翻訳するものや英文ビジネス文書の翻訳など多岐にわたります。

単価は、実務翻訳になれば高くなり、1つのプロジェクトで2万円〜6万円の仕事が多いです。経験が少ない人でもできる、英作文の添削や海外ドラマのセリフ翻訳は1件800円程度〜。実績をつけるために気軽にできる難易度の低い仕事から始め、実績を作ると、スカウトなどで単価もアップします。

ランサーズではクライアントからの評価システムがあり、コツコツと仕事をすれば、よい評価をもらえるでしょう。

クラウドワークス

日本最大級規模のクラウドソーシングサイトの1つがクラウドワークスです。

クラウドワークでは、常時100件以上の翻訳案件が募集されています。動画の字幕翻訳など映像翻訳の仕事も多いです。ゲームシナリオの翻訳や英語エッセーの回答作成などユニークな仕事があり、単価は5,000円〜50,000円まで案件によって大きく異なります。プロジェクト形式で行われる仕事がほとんどのため、評価次第で引き受けたクライアントからさらに別の案件を発注されるパターンも。

事前のトライアル翻訳などはなく、実績の提示などで仕事の発注ができます。

Conyac

Conyacは、翻訳を専門に扱うクラウドソーシングサイトです。

Conyacでは、Light、Standardと案件ごとにレベルが分かれており、Lightでは数百文字の短い翻訳で単価は0.1円数千文字のStandardは、文字単価0.4円の単価で仕事ができます。高い報酬を得るためにはレベルテストを受け、Standardレベルに達すると、通常のStandardレベルの仕事を受注できます。Seniorレベルでは、翻訳された文章のダブルチェックなどの仕事を引き受けることが可能です。

レベルテストに不合格になっても、Lightの仕事は誰でも受注できます。

Gengo

グローバルに展開する翻訳専門クラウドソーシングのGengo。翻訳者として登録するには、Gengoが実施するテストに合格しなければなりません。

合格率は10%と難易度が高いですが、合格すればサイトに掲載されいている案件は早い者勝ちで仕事を受注できます。自分が受けたい仕事ジャンルはその場で選べ、すき間時間に翻訳仕事をしたい人に最適です。

YAQS

翻訳クラウドソーシングのYAQSは、日本語から英語の翻訳に強いクラウドサービスです。

カジュアル、スタンダード、プロの品質レベルがあり、登録するにはテストに合格する必要があります。テストの結果と成績により、それぞれのランクの仕事が受注可能。カジュアルレベルの単価は0.6円程度で、SNSやメール文書など比較的短い文書が多いです。

スタンダード、プロは、通訳経験者レベルで、難易度が高いためさらなる高単価が期待できます。

まとめ

翻訳の仕事は、文書や映像など幅広いカテゴリーがあり、実務翻訳はそれぞれの業界で必要な専門用語が使われるため、業界ジャンルを選び専門スキルを積んでいく翻訳者が多いです。

翻訳者の仕事は、求人サイトや企業への直接応募のほか、在宅でできる翻訳会社やクラウドソーシング会社への登録で探せます。翻訳会社への登録は、実務経験や翻訳経験が問われますが、クラウドソーシングを使えば、誰でも翻訳の仕事に携わることができるでしょう。未経験でも実績を積むことで、翻訳単価を上げることが可能です。

在宅で副業ができるサイトに登録し、すき間時間に翻訳で稼ぎましょう。